ポルトガルはドウロ河流域の小さな町。カメラが趣味の青年イザクは、ある夜、若くして亡くなった娘アンジェリカの写真撮影を依頼され、町でも有数の富豪の邸宅を訪れる。白い死に装束に身を包み、花束を手に抱えて横たわる、かの娘にカメラを向けると、その美しい娘は、突然瞼を開きイザクに微笑みかける。その瞬間、イザクは雷に打たれたように恋に落ち、すっかりアンジェリカの虜になってしまうのだった。絶世の美女アンジェリカの神秘に満ちた美しすぎる微笑みに心奪われ、日頃の愁いも忘れて、昼も夜もアンジェリカに想いを馳せるイザク。その想いに応えるように出没するアンジェリカの幻影・・・。
新着映画情報
『アンジェリカの微笑み』
原題:The Strange Case of Angelica
配 給 : | クレストインターナショナル |
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公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2015年12月05日 |
映画館: | Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー |
リカルド・トレパ |
監督:マノエル・ド・オリヴェイラ |
2010/ポルトガル・スペイン・フランス・ブラジル/ポルトガル語/ビスタ/97分/字幕翻訳:齋藤敦子 |
不可思議な微笑みが引き寄せたふたつの魂――。世にも美しい愛の幻想譚。
現役最高齢監督として知られ、2015年4月2日に106歳で永眠した巨匠マノエル・ド・オリヴェイラ。そのオリヴェイラ監督が101歳の時に撮り上げた、ミステリアスで瑞々しい異空間ロマンス。本作はもともと、オリヴェイラ監督が1952年に脚本を執筆したものだが、その後映画化されないままになっていた。当初は、第二次世界大戦におけるホロコーストの記憶が生々しく残され、ナチス・ドイツの迫害を逃れてポルトガルに移り住んだユダヤ青年である主人公のアイデンティティが強調されていた。それを半世紀以上の歳月をかけて、混沌とする世界情勢を背景に監督自らが書き直して、現代の物語として完成させた。
© Filmes Do Tejo II, Eddie Saeta S.A., Les Films De l’Après-Midi,Mostra Internacional de Cinema 2010