ポーランドのユダヤ人強制居住区から脱走した8歳の少年スルリックは森へと逃げるが、飢えと寒さで行き倒れとなり、ヤンチック夫人に助けられる。スルリックを匿った夫人は少年の誰をも魅了する愛らしさと賢さに気づき、一人でも生き延びられるよう“ポーランド人孤児ユレク”としての架空の身の上話を覚えこませ、追っ手から逃がす。ユレクは夫人に教わったとおりに嘘の身の上を語り、寝床と食べ物を求めて農村の家々を一軒ずつ訪ね歩く。無邪気な笑顔で物怖じしないユレクに救いの手を差し伸べる者、ドアを閉ざす者、利用しようとする者・・・。優しい家族に受け入れられ束の間の平穏をつかみかけても、ユダヤ人であることがばれてしまい、追い立てられるように次の場所へと逃げる。ユダヤ人に生まれただけで、何故こんな目に合わなくてはならないのか。生き別れになった父との約束を胸に、明日の希望を信じてユレクの生命の旅は続く・・・。
新着映画情報
『ふたつの名前を持つ少年』
原題:Lauf Junge Lauf / Run Boy Run
配 給 : | 東北新社 |
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公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2015年08月15日 |
映画館: | ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー |
アンジェイ・カクツ |
監督:ペペ・ダンカート |
2013/ドイツ・フランス/ポーランド語・ドイツ語他/シネマスコープ/108分 |
ひとつの名前は愛を、もうひとつは勇気をくれた――
本作はナチスドイツの手から逃れた8歳のユダヤ人少年が、スルリックというユダヤ名を捨て、ポーランド人孤児ユレクとして、たった一人で3年もの月日を生き抜いた実話を基に描かれたドラマ。原作は1996年に国際アンデルセン賞を受賞し、自身もユダヤ人強制収容所や隠れ家生活の体験者である児童文学作家、ウーリー・オルレブによる『走れ、走って逃げろ』。監督は1994年に「Schwarzfahrer」(黒人のドライバー)でアカデミー賞短編実写賞を受賞したペペ・ダンカート。原作との出会いを、「見る者の記憶に20年後も残り続ける映画となる素材を見つけた瞬間」と語っている。
©2013 Bittersuess Pictures