夫婦と子ども3人の森山家の居間は、いつも和気あいあいとした雰囲気に満ちていた。大黒柱の父親、和彦の稼業は空き巣泥棒。妻・皐月の仕事はというと結婚詐欺で、長男・淳は偽造職人。中学3年生の長女・明日香と小学4年生の次男・隆史も一家が「犯罪で生計を立てていること」を知っていた。一家は広いベランダのある古い戸建てに住み、慎ましい生活を送っている。夫婦の願いは子どもたちの幸せで、もっぱらの悩みは教育費の資金繰り。明日香には、いちばん行きたがっているという私立高校に通わせてあげたいし、隆史にも塾やサッカー教室に通わせてあげたい。オトナっぽい淳についても「本当は大学に行きたかったのでは…」と案じている。子どもたちの将来を思い、ふたりはそれぞれ仕事にも熱が入っていた。
そんな矢先、ターゲットとして付き合いを進めていた不動産王の息子ミツルに、皐月の計画がバレてしまう。何を隠そう、この男の正体は同業の結婚詐欺師!自分がカモにされていたことに激昂したミツルは、皐月を監禁して暴力をふるい、和彦に身代金として1千万円を要求してきたのだ。和彦と淳は、淳が用意した偽札を持って指定された取引場所へと出向いたが....。
新着映画情報
竹野内 豊 |
監督:蝶野 博 |
2014/日本/110分 |
俺が盗んできた家族は、誰にも奪わせない。
その一家は、どこにでもある普通に幸せそうなファミリーだった。が、父は泥棒、母は結婚詐欺師、長男は偽造職人で、長女とまだ幼い次男も「犯罪で生計を立てていること」を知っていた。なぜ5人は、危ない橋を渡るそんな歪な関係を選んだのか? 原作は、「真夜中の五分前」「ストレイヤーズ・クロニクル」など映画化が続く人気作家、本多孝好の短編小説「at Home」。キャストは、一見飄々とした、しかし骨のある泥棒(かつ父親役)に竹野内豊、結婚詐欺師でその“妻”には松雪泰子。「未来予想図〜ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜」(07)で監督デビューした蝶野博がメガホンをとった。
©映画『at Home』製作委員会