伝えたいことがあるそうです。(死んでしまいましたが…)
金と女に目がないダフ屋のガジロウ、29歳。甘いマスクで次から次へと女を口説き、軽口でチケットを売りさばく生粋の遊び人だ。そんな彼にある日おとずれた不慮の交通事故…。幸い無傷で済んだガジロウだったが、その事故で亡くなったポールダンサーのユウコと、彼女の仲間たちが現れる。小学生の一人息子・幸太郎を残して逝ったユウコ、結婚式を目前に控えていたルカ、同級生に密かに想いを寄せていたケイ、そしてやり残した仕事を忘れられない元消防士のジョニー。それぞれがこの世に大きな未練を残し、大切な人に伝えたい“想い”を抱えていた。
死んでしまった自分たちの姿が見えるのは、ガジロウただ一人。そこで、ユウコたちはお金と引き換えにやり残したことを叶えてほしいと懇願する。「何で俺が?」と、嫌々ながらも大金に目がくらみ4人の未練を叶えることを引き受けたガジロウだったが、一人、また一人、彼らの“代わり”に彼らの大切な人に“想い”を伝えていくことで、お金と女にしか興味のなかった“サイテー男”の心が小さく揺れはじめ、やがて大きく変化していく─。