![ストーリー](http://www.movienet.co.jp/images/movie_icon_story.gif)
奄美大島に暮らす界人(かいと)は16歳。ここ奄美に古代から伝わる八月踊りの満月の夜、その月明かりのもと、海に浮かぶ男の死体を発見する。衝撃を受け、その場から走り去った彼を見ていた同級生の杏子に、翌日問いかけられながらも、界人は自分の中にあるわだかまりを口にすることができない。
ユタ神様として、島人の心の拠りどころになっていた杏子の母イサは病を抱え、死期を迎えつつあった。「たとえこの世を去っても、お母さんの想いはここにたしかにあるし、ぬくもりはあなたの心に残るのだから」。ユタの親神様にそういわれても、肉体が消えたら会えないという現実を、杏子は受け入れることができない。だが、イサは「自分の命は杏子につながっているし、いつか杏子が生む子どもともつながってゆく。だから死ぬことはちっとも怖くないの」と、娘に優しく語りかける。
一方で思春期の界人は、恋人の影を感じさせる母・岬の女としての側面をどこかで穢らわしく想っていた。そして、あの死体の男…。界人はうまく言葉にできない気持ちを抱えながら、幼いころに離婚し東京に暮らす父に会いに行く。
東京から戻った界人は、ある晩、些細なすれ違いから、岬の言動を激しくなじり外に飛び出した。界人が家に戻ると岬の姿はなく……。