物語の舞台は1961年、NYのグリニッジ・ヴィレッジ。ライブハウスで歌うフォーク・シンガーのルーウェン・デイヴィスは、最近何をやっても裏目に出てばかりだった。レコードはまったく売れず、一文無しで知り合いの家を泊まり歩く日々。つい手を出した女友達からは妊娠したことを告げられ、おまけに仕方なく預かるはめになった猫にも振り回される始末。そんなトラブル続きの日常から逃げ出すように、ルーウィンはギターと猫を抱えて人生を見つめ直す旅に出る。ジャズ・ミュージシャン、ローランドとの悪夢のようなドライブ、歌への信念を曲げれば成功するかもしれなかった有名プロデューサーのオーディション、年老いた父との再会の末、とうとう歌をやめて父と同じ船員に戻ろうと決意するが、それさえもうまくいかない。旅から戻りあらゆることに苦しめられ打ち拉がれたルーウィンはまたNYのライブハウスにいた。歌い終えたルーウィンがふとステージに目をやると、そこにはやがてフォークの世界を大きく変えることになる無造作な身なりの若者、ボブ・ディランらしきシンガーの姿が。同じような日々がまた回り始めたかのようにみえるルーウィンの人生。しかしその外側で、彼の想いを受け継いだかのように、新しい時代がすぐそこまでやってきていた……。
新着映画情報
『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』
原題:Inside Llewyn Davis
配 給 : | ロングライド |
---|---|
公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2014年05月30日 |
映画館: | TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー |
オスカー・アイザック |
監督:ジョエル・コーエン |
2013/アメリカ/ヴィスタビジョン/5.1ch/104分/字幕翻訳:石田泰子 |
ボブ・ディランが憧れた伝説のシンガーの回想録を元にコーエン兄弟が映画化! ひたむきに生きて、歌い続けた名もなきシンガーと猫との1週間の物語。
アカデミー賞監督コーエン兄弟の最新作にしてカンヌ国際映画祭グランプリ受賞作。ルーウィン・デイヴィスのモデルになったのは、ボブ・ディランが憧れた伝説のフォーク・シンガーのデイヴ・ヴァン・ロンク。コーエン兄弟はヴァン・ロンクの回想録にインスパイアされてこの物語を作り出した。1961年といえば、NYでは先鋭的な若者たちの間でフォーク・ミュージックを聴くことが流行し、彼らはコーヒーハウスと呼ばれたライブハウスでフォーク・シンガーの歌に耳を傾けていた。ルーウィンもそんなフォーク・シンガーの一人。ルーウィン・デイヴィスを演じるのは、「ロビン・フッド」(10)、「ドライヴ」(11)などに出演し、映画初主演作となる本作で一躍脚光を浴びたオスカー・アイザック。今回、コーエン兄弟の強い希望でライブ・シーンをすべて吹き替えなしで挑んだ。
Photo by Alison Rosa ©2012 Long Strange Trip LLC