ボスニア・ヘルツェゴヴィナに暮らすロマの一家は、貧しくも幸福な日々を送っていた。ある日、3人目の子供を身ごもる妻・セナダは激しい腹痛に襲われ病院に行く。 そこで医師から今すぐに手術をしなければ危険な状態だと、夫・ナジフに告げられた。しかし保険証を持っていないために、 鉄くず拾いで生計を立てている彼らにはとうてい支払うことのできない手術代を要求される。妻の手術を懇願するも病院側は受け入れを拒否。 「なぜ神様は貧しい者ばかりを苦しめるのだ」と嘆きながら、その日はただ家に帰るしかなかった。ナジフはセナダの命を救うため、死にもの狂いで鉄くずを拾い、国の組織に助けを求めに街まで出かけて行くが・・・。
新着映画情報
『鉄くず拾いの物語』
原題:An Episode in the Life of an Iron Picker
配 給 : | ビターズ・エンド |
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公開日: | 2014年01月11日 |
映画館: | 新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー |
セナダ・アリマノヴィッチ |
監督・脚本:ダニス・タノヴィッチ |
2013/ボスニア・ヘルツェゴヴィナ=フランス=スロベニア/ヴィスタビジョン/74分 |
愛する人を守るため、人は何ができるのだろう。貧しくも幸福な生活を送っていた家族に起きた“できごと”。
2011年末、ボスニア・ヘルツェゴヴィナのある村に住むロマ民族の女性セナダが、保険証を持っていないために手術を受けられないという記事が新聞に掲載された。これを読んだダニス・タノヴィッチ監督(アカデミー賞外国語映画賞「ノー・マンズ・ランド」)は「何とか映画にして世間に訴えなければ」と立ち上がり、当事者たちを説得し自主製作として、9日間で一気に撮り上げる。演技経験がないにも関わらず、その存在感で夫のナジフ・ムジチはベルリン国際映画祭にて主演男優賞を受賞。また本作をきっかけに、ナジフ一家は保険証と定職を手にした。