「M資金は、本当にあった」−M資金専門の詐欺師だった父が、謀殺される間際に遺した言葉。その跡を継ぐようにM資金詐欺に手を染めながら、真舟雄一の胸には常に拭いがたい疑問があった。父を殺したのは誰か、戦後日本を裏から支配してきたM資金は実在するのか。そんな彼の前に、“財団”の使者と名乗る男が現れる。“財団”とは日本国際文化振興会の俗称だ。初めは取り合わなかった真舟だが、次々に起こる異常事態に巻き込まれ、M資金をめぐる争いに宿命的に引き寄せられてゆく。M資金の秘密を守るためには武力行使も厭わない防衛省の工作員たち。“財団”の一員でありながら彼らと敵対し、「M資金を“財団”から盗み出してもらいたい」と真舟に依頼する謎の男、その名も“M”。世界を救うためにマネー経済の悪しきルールを変えたい−そう語る“M”にとまどう真舟だったが、多額の報酬と、「成功した暁にはM資金の秘密を教える」という話に興味を持ち計画に乗ることにするが…。
新着映画情報
佐藤浩市 |
監督:阪本順治 |
2013/日本/140分 |
10兆円で 世界の ルールは 変えられるか?
敗戦直前、旧日本軍の手により隠匿された財宝(時価数十兆円ともいわれる)―通称「M資金」。それは続く占領下の時代、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)によって接収され、日本政府の一部を通して戦後復興や反共計画に極秘に運用されてきたと言われる。一方、「M資金」など最初から存在しなかった、というのが定説になってはいるが…。本作はそんな「M資金」を題材にした福井晴敏の同名小説を原作に、「亡国のイージス」(05)の阪本順治監督が世界を支配するグローバル・キャピタリズムに切り込むエコノミック・サスペンス。 ロシア、タイ、日本、アメリカと4か国での撮影、そしてアメリカ映画以外では初となる国際連合本部での撮影も敢行された。出演は主人公・真舟雄一に佐藤浩市、謎の男“M”に香取慎吾、“財団”の使者・石に森山未來ほか。
© 2013「人類資金」製作委員会