昭和63年、山口県下関市。「川辺」と呼ばれる場所で、17歳の遠馬は父とその愛人と暮らしていた。父には「セックスの時に女を殴る」という暴力的な性癖がある。そのため、産みの母は遠馬が生まれてすぐ、彼を置いて家から出ていった。粗暴な父を疎んで生きてきた遠馬。だが、彼は幼なじみの千種と何度も交わるうちにやがて自覚していく。自分にも確かに父と同じ忌まわしい血が流れていることを―。
新着映画情報
菅田将暉 |
監督:青山真治 |
2013/日本/シネマスコープ/5.1ch/102分/R15+ |
母さん、なんで僕を生んだのですか ? あの男の血をひく僕を――。
第146回芥川賞受賞作・田中慎弥の『共喰い』を、「EUREKA ユリイカ」「東京公園」の青山真治監督が映画化。脚本は、「大鹿村騒動記」の荒井晴彦。原作にはない、オリジナルのエンディングを用意した。主人公の遠馬を演じるのは「仮面ライダーW 」(09)で史上最年少の仮面ライダーとしてデビューした菅田将暉(すだまさき)。映画化の決定に際し、原作者の田中慎弥は「小説の『共喰い』こそが一番だと私は思っています。映画に携わる人たちは、『共喰い』は映画のための物語じゃないか、と考えていることでしょう。勝負です」とコメント。だが、完成した作品を観た彼は映画の出来を手放しで絶賛している。
©田中慎弥/集英社・2013『共喰い』製作委員会