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『メキシカン・スーツケース <ロバート・キャパ>とスペイン内戦の真実』
配 給 : | フルモテルモ×コピアポア・フィルム |
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公開日: | 2013年08月24日 |
映画館: | 新宿シネマカリテほか全国順次公開 |
ドキュメンタリー |
監督:トリージャ・ジフ |
2011/スペイン・メキシコ/16:9/86分 |
2007年、失われたはずの4,500枚のネガが発見された―。
メキシコで2007年に発見された3つの箱。第二次世界大戦初頭の混乱のさなか行方知れずとなっていたこの箱の中には、伝説的な写真家、ロバート・キャパが撮影したスペイン内戦の写真のネガが数多く入っていた。70年の時を経て発見されたその箱はやがて、”メキシカン・スーツケース”という名で知られるようになった。
パリのキャパのスタジオから消えたネガがどこかに残っているという噂は、長い年月に渡って囁かれ、国際写真センター(ICP)の創設者でキャパの弟でもあるコーネル・キャパによりその探索は続けられていた。そしてついに126本のロールフィルム―4500枚のネガが入った”メキシカン・スーツケース”が発見されることにより、それは伝説から現実の事件として注目を浴びることとなる。そこにはキャパが撮った写真だけでなく彼と同じくスペイン内戦を取材した仲間の写真家、ゲルダ・タローとデヴィッド・シーモア“シム”の写真が多く含まれており、あらためて3人の写真家の足跡がたどられることになった。
キャパとタローとシーモアは、それぞれハンガリー、ドイツ、ポーランド出身のユダヤ系移民で、1930年代初めにパリに移り住み、のちにスペインに旅立つ。そのスペインでは1936年の総選挙で誕生した共和制民主主義派とその打倒を唱えるフランコ軍とが内戦状態に突入、そして彼らが共和国軍の兵士とともに戦場で撮った写真は、スペイン内戦の最も貴重な視覚的記録として世界に発信されることとなる。本作では、この3人の写真家とつながりがあった関係者の証言により、それぞれの人柄や果たした役割が語られてゆく。また、彼らのネガを海外に持ち出すことに大きく貢献したキャパの暗室助手イメレ“チーキ”ヴァイスに関する関係者の証言も興味深く描かれる。 そして本作が持つもう一つの視点は、ネガがなぜメキシコで発見されたのかという問いを通して、メキシコが当時果たした独自の役割、現在も癒えることのないスペイン内戦の傷跡、さらには歴史の記憶回復に至るまでの動きを追っていることである。