靴職人を目指す高校生タカオは、雨の朝は決まって学校をさぼり、公園の日本庭園で靴のスケッチを描いていた。ある日、タカオは、ひとり缶ビールを飲む謎めいた年上の女性ユキノと出会う。ふたりは約束もないまま雨の日だけの逢瀬を重ねるようになり、次第に心を通わせていく。居場所を見失ってしまったというユキノに、彼女がもっと歩きたくなるような靴を作りたいと願うタカオ。六月の空のように物憂げに揺れ動く、互いの思いをよそに梅雨は明けようとしていた・・・。
新着映画情報
(声の出演) |
原作・脚本・監督:新海誠 |
2013/日本/46分 |
それぞれが歩き出すために、僕らは出会った
「ほしのこえ」(02)で鮮烈なデビューを飾りアニメーション業界に衝撃を与え、前作「星を追う子ども」(11)は、日本国内だけでなく、韓国で異例の100館以上での公開を果たし、次世代を担うアニメーション監督として国内外で高い評価を受けている新海誠の最新作。“デジタル時代の映像文学”で世界を魅了する新海誠が本作で描くのは、万葉集の一篇から始まる“孤悲”の物語。テーマは、靴、万葉集、日本庭園、雨――。雨の季節に日本庭園で出会った、靴職人を目指す少年と歩き方を忘れた女性の「恋の物語」を、独自の感性と言葉選びにより、まるで小説を読むような味わいとテーマ性を持った繊細なドラマに仕上げている。
©Makoto Shinkai/CoMix Wave Films