近未来。冷ややかなほど真っ白な内装で統一されたルーカス・クリニックの業務は、通常の診療所とはまったく違っていた。急速に業績を伸ばしているこのクリニックは、風邪などの病気を患ったセレブリティたちからウイルスを譲り受け、彼らの熱狂的なファンにそれを販売しているのだ。クリニックが扱うセレブリティのウイルスには、映画スターやシンガーといったアイドルだけでなく、猟奇殺人鬼などの極悪人から採取したものもある。
クリニックで顧客への注射を担当する若き注射技師シドは、ただでさえ世間からモラルが問われるウイルス販売の仕事に従事しながら、危険な副業にも手を染めていた。希少価値の高いウイルスを外部に持ち出し、闇マーケットに横流ししていたのだ。ある日、究極の美の持ち主ハンナが原因不明の重病に冒されて突然死亡。その直前、ハンナから直接採取したウイルスを自らの肉体に注射していたシドも、異様な幻覚症状に見舞われる。ハンナを死に至らしめた特殊なウイルスの唯一の宿主となったシドは、何者かに追われ始め、ウイルスをめぐる巨大な陰謀の真相究明に乗り出すが……。
新着映画情報
『アンチヴァイラル』
原題:Antiviral
配 給 : | カルチュア・パブリッシャーズ、東京テアトル |
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公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2013年05月25日 |
映画館: | シネマライズほか全国ロードショー |
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ |
監督:ブランドン・クローネンバーグ |
2012/カナダ・アメリカ/ヴィスタビジョン/ドルビー・デジタル/108分/字幕翻訳:寺尾次郎 |
あなたの すべてに 感染したい
「スキャナーズ」「ザ・フライ」「イースタン・プロミス」などで知られる鬼才デヴィッド・クローネンバーグの長男、ブランドン・クローネンバーグの衝撃的な監督デビュー作。主人公シドに抜擢されたのは、「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」のミュータント、バンシー役で脚光を浴び、次世代スター候補として躍り出たケイレブ・ランドリー・ジョーンズ。神経症的かつ退廃的な異色キャラクターを渾身の迫力で体現した。共演は、「コズモポリス」「危険なメソッド」に連続出演し、クローネンバーグ映画の新たなミューズとなった若手女優サラ・ガドン、「時計じかけのオレンジ」で知られるカリスマ怪優マルコム・マクダウェル。
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