中年捜査官のサントスは、かつては周囲から絶大な信頼を集める敏腕捜査官だったが、数年前の捜査中に起きたある事件をきっかけに、最前線からは退き、輝かしいキャリアと自信を失っていた。左遷された今の仕事といえば、小さな事件の処理と膨大なお役所仕事だけ。ある夜、サントスは泥酔して立ち寄った酒場で、店主と店員に絡んだあげく酔った勢いで店内にいた3人を銃殺してしまう。とっさに犯行現場の証拠隠滅を図ろうとするが、防犯カメラには現場から逃げ出す目撃者が映っていた。自分の犯行を隠蔽するため目撃者を追走するサントスは、大規模な麻薬取引のネットワークに遭遇。それは、とてつもなく精巧に仕組まれたあるテロリスト集団が企む犯罪計画に資金調達をするものであった。一方、酒場での殺人事件を追う警察の捜査陣は、残された証拠からサントスに疑惑を向け始める。テロリスト集団の最終目的を知るサントスと、そんな計画を知らずにサントスを追い込み始める捜査網。残された時間もなく、最後の正義を胸に秘めただ一人テロリストに対峙するサントスに孤独な闘いがはじまった…。
新着映画情報
『悪人に平穏なし』
原題:No habra paz para los malvados / No Rest for The Wicked
配 給 : | シンカ |
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公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2013年02月09日 |
映画館: | ヒューマントラストシネマ渋谷にて公開 |
ホセ・コロナド |
監督:エンリケ・ウルビス |
2011/スペイン/スペイン語/デジタル/114分/R15+ |
その男の衝動は、正義か邪心か―。
2004年3月11日。朝のラッシュ時、マドリード市内を走る近郊鉄道のアトーチャ駅など3つの駅で、同時多発的に大規模な爆発が起こった。通勤通学客で混雑していた駅構内や列車が激しく損壊し、191人が死亡、2,000人以上が負傷する大惨事となった。当初、スペイン当局は「バスク祖国と自由(ETA)」による犯行と発表。だが、ETAはすぐに関与を否定。間もなくイスラム過激派系グループがロンドンで犯行声明を出し、捜査の混乱が明るみに出る結果となった。
本作は、この事件の犯行計画を事実に基づいてリアルに再現し、ある事件をきっかけに、凶悪なテロ組織にたった一人で立ち向かうことになった、孤独な中年捜査官の生き様を描く。2012年ゴヤ賞(スペイン・アカデミー賞)で作品賞・監督賞・主演男優賞など主要6部門を受賞。
© 2011 Lazona S.L.U, Telecinco Cinema, Manto Films AIE