2074年―ナノテクノロジーの発達により、人間の体内には生命管理のため、マイクロマシンが埋め込まれ、殺人が不可能な世界となっていた。しかし、犯罪組織は、すでに開発されていたが、法によって使用が禁じられていたタイムマシンを悪用して殺人を遂行していた。彼らは、敵を消し去りたいとき、標的をタイムマシンに乗せ、生命管理が不可能な時代―30年前の2044年に転送するのだ。その時代に暗躍する“ルーパー”と呼ばれる処刑人の元へ。ルーパーには、絶対に破ることが許されない<掟>がある。それは、決して<標的を逃がしてはならない>ということ。もし、この掟を破った場合、ルーパー本人が始末されることになる―。
ジョーは、組織も認める腕利きのルーパー。どんな状況であろうと冷静に、そして、非情に任務を遂行する男だ。ある日、ジョーの元に、指令が入る。それはいつも通りの単純な仕事のはずだった。約束の場所でいつものように銃を構えて待つジョー。宙から落ちてくるように現れるターゲット。ところが、その標的はいつもと様子が違っていた。未来から送られてくる人間は通常、頭に袋を被せられており、その表情はルーパーには見えないようになっているはずだが、この男は何も被されていない。さらに、ジョーを驚かせたのは、男の顔が―年齢を重ねているとはいえ―自分の顔に酷似していたからだ。そう、彼は30年後のジョーだったのだ。驚愕と混乱で引き金を引くことをためらったヤング・ジョーの不意をつき、オールド・ジョーは街へと消えていく―。
ルーパーの<掟>を破ってしまったヤング・ジョーの失態は、即座に組織の知るところとなる。未来から派遣された、ルーパーの元締めエイブは、彼の手下、“ガットマン”たちを使い、ヤング・ジョーの追跡に乗り出す。「未来の俺を殺さなければ、今の俺が消される!」ガットマンたちの追跡をかわし、必死に未来の自分を捜索するヤング・ジョー。しかし、自分のすべてを知りつくし、さらに、30年の経験を積んでいるその相手は、とてつもなく手強い。老練なオールド・ジョーは、過去の自分を嘲笑うかのように、ヤング・ジョーを出し抜いていく。そして、ようやくヤング・ジョーが未来の自分と対峙したとき、彼がこの時代へ来た、驚くべき理由が明かされる....。
新着映画情報
『LOOPER/ルーパー』
原題:LOOPER
配 給 : | ギャガ、ポニーキャニオン |
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公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2013年01月12日 |
映画館: | 丸の内ルーブルほか全国ロードショー |
ブルース・ウィリス |
監督・脚本:ライアン・ジョンソン |
2012/アメリカ/シネマスコープ/ドルビーデジタル、ドルビーSR/118分/字幕翻訳:松浦美奈 |
未来の自分を殺せるのか―? タイムトラベル映画の常識を打ち破る、新たなシチュエーション
タイムトラベルをコンセプトにした映画は数々作られてきたが、本作「LOOPER/ルーパー」は、これまでになかった斬新な視点から、このテーマにアプローチしている。“現代の自分”と“未来の自分”が本気で命のやり取りをおこなうという、いわばタイムトラベルの“タブー”に踏み込んだのだ。どちらが生き残ってもお互い、ただでは済まないことは分かりきっている。しかし、それでも彼らは戦わざるをえない。なぜなら、この戦いの結末によって、世界の未来が大きく左右されるからだ―。
緊迫感あふれる独創的な脚本は、監督デビュー作「BRICK ブリック」(05)で数々の賞にノミネートされたライアン・ジョンソンが書き下ろした。主人公のルーパー、ジョーを演じるのは、「(500)日のサマー」「50/50 フィフティフィフティ」のジョセフ・ゴードン=レヴィット。そして、彼が遭遇する未来のジョーを、「ダイ・ハード」シリーズのブルース・ウィリスが演じる。物語のキーパーソンとして登場する謎多き美女を「プラダを着た悪魔」のエミリー・ブラントが好演している。
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