地球滅亡まであと21日。暴動の夜、2人は旅に出る…。
地球に衝突する小惑星マチルダの破壊作戦が失敗に終わり、人類の滅亡が避けられなくなったと判った日、保険セールスマン、ドッジの妻は何も告げずに去っていった。会社にほとんど人がいなくなり、全社員が役員に昇進する中、これまでと変わらぬ退屈な業務を続けるドッジ。同僚は飛び降り自殺し、ドッジの車の上に降ってくる。家に帰ると、隣人の奔放な女性ペニーが泣いている。「最後の飛行機に乗り遅れて、イギリスの両親に二度と会えなくなってしまった」と嘆く彼女とドッジは初めて言葉を交わす。
翌日彼はペニーから、彼女のもとに誤配達された3年分の自分宛の手紙の束を渡されるが、そのときの会話から思いがけない事実、”妻の浮気”を知ってしまう。ショックを受けたドッジは、夜の公園で自殺を図るが、死ねなかった。翌朝目を覚ました彼の胸には「ソーリー(ごめんなさい)」と書かれたメモが置かれ、目の前には一匹の犬がいた。街に暴動が起き始める中、犬を連れて家に帰り、前日ペニーから手渡された郵便物を見ていたドッジは、その中に思いがけない手紙を見つける。それは、かつて心ならずも別れた最愛の人、オリヴィアからのものだった。ドッジはオリヴィアの手紙を持ち、彼がソーリーと名づけた犬を連れてペニーのもとへ。「知人が自家用機を持っているので、僕をオリヴィアのところまで車で送ってくれれば、君をイギリスの家族に会わせる」とペニーに持ちかけ、ふたりはオリヴィアを探す旅に出る―。