ごく平凡な毎日を送っている、少年のような姿の不思議な男性オブレネリ ブレネリギャーが、ある日、公園のベンチに座って暇をつぶしていたところに、ひとりの神々しい美女がやって来る。彼女の名は“偉大なミロクローゼ” 。一瞬にして胸がトキめいたオブレネリ ブレネリギャーは、これまでのサエない人生が一変。彼女のために必死に働き、一緒に住むために家まで購入。大好きな“偉大なミロクローゼ”との幸せな生活を手にいれて心躍るが、それもつかの間だった....。
一方、オブレネリ ブレネリギャーと面影の似ている青春相談員・熊谷ベッソン。毒舌、白のタキシード、小太り、奇抜なヘアスタイルで異彩を放ち、狙った女は必ず落とす最高にダンディなこの男。「半年付き合っている彼女がいるのですが、本当に自分に気があるのか確かめたい」「新幹線の販売員に夢中になったのですが、どうしたらいいですか」―。そんなセンチメンタルでピュアな悩みを抱えた青年たちも、ベッソンにかかれば瞬時にプレイボーイへと大変身! 超上から目線、失礼極まりない罵倒に次ぐ罵倒、さらに秘書のオネーチャンと激しく踊りながら、めくるめくように問題を解決に導く。まさに、恋愛の神。イケイケなベッソンを止められる者なんて、もうこの世に存在しない。世界中の誰よりもテンションが上がった彼の車は、人を撥ねても気がつかず走り去っていく。
撥ねられたのは、恋人・ユリの行方を探す片目の浪人・タモン。花屋で働くユリに惚れ、身長2メートルの彼氏との激闘の末に見事ハートを射止めるも、謎の盗賊団に彼女をさらわれてしまった悲劇の青年だ。最愛の人を取り戻すため、時空までも超えてあらゆる危険な場所で彼女を探し求めるタモン。それから数年の流浪を経て、ついに刺青師・蛾禅から重要な手がかりを得る。その情報をもとにたどり着いたのが、絶世の女郎たちが在籍する遊郭「天柘楼」。果たしてユリを見つけだすことができるのか。タモンは命をかけた闘いに挑む。
新着映画情報
山田孝之 |
監督・脚本・美術・編集・音楽:石橋義正 |
2010/日本/ヴィスタビジョン/5.1ch/デジタル/90分 |
恋は、世の中すべての始まりだ。 石橋義正監督(オー!マイキー)x山田孝之の摩訶不思議な映像トリップ!
2011年3月の香港映画祭を皮切りに、約30箇所の国際映画祭で上映され、アメリカのニューヨーク・アジア映画祭では、主演・山田孝之が日本人初のライジング・スター・アワードを受賞。北米最大級の映画祭ファンタジア・フェスティバルでは最優秀監督賞を含む4つの賞を受賞するなど、各国でも絶賛された本作「ミロクローゼ」(=太陽)。テレビ番組「オー!マイキー」などでその独特の世界と映像美が評価されている石橋義正監督が本格的な実写映画に取り組み、3つの話が交錯するジャンルを超えた新感覚映画を誕生させた。
山田孝之が扮するのは、愛に突き動かされる3人の男。ソウルの帝王ジェームス・ブラウンばりのダンス、「マグノリア」のトム・クルーズを彷彿とさせる怪演で見せ切る恋愛相談員・熊谷ベッソン。現代劇、西部劇、時代劇をわたり歩く浪人・タモン。絵本のような世界に生きるチャーミングなキャラクター、オブレネリ ブレネリギャー。
© 2012「ミロクローゼ」製作委員会