家族を守るために、突き止めた真相のはずだった──
購入したばかりのマイホームで小説を書きながら、美しい妻と二人の娘たちとともに人生を過ごすことを決意したウィル・エイテンテン。しかし、会社を辞め、平穏で幸せな生活を築いていこうとした矢先、一家に不幸が訪れる。娘が幽霊らしきものを見たとおびえたり、謎の男が自宅を覗きこんでいたり、自宅の地下に侵入した少年少女たちが怪しげなミサを行っていたり……。違和感をおぼえる奇怪な出来事が相次ぐのだった。そしてその原因は、5年前に起きた殺人事件にあることが判明。かつてこの家では、母子三人が殺害され、父親は重症を負うという凄惨な事件が起きていたのだ。しかも、犯人の容疑をかけられたのは生き残った父親で、事件後精神を病み、逮捕に至っていないのだという。家族を守るために地元警察に相談するも、まったく相手にされないウィルは、独自に事件を調べ始める。5年前の事件を知る隣人のアンに協力を求め、なんとか謎に包まれたパズルのピースを埋めていく。しかし、パズルのピースがひとつずつ埋まっていく度に、自身の哀しみが増えていくのだった―。