大統領選挙の資金調達でブッシュ共和党政権を誕生させたと言われる、大物ロビイストのジャック・エイブラモフは、下院・院内総務のトム・ディレイ議員を金で抱き込み、アメリカ議会を思いどおりに操っていた。ジャックはビジネス・パートナーのマイケル・スキャロンに誘われ、カジノを経営するネイティブ・アメリカンのチペワ族を騙して大金を手に入れる。少数民族の優遇政策に目をつけた2人は、その後も懇意にしている下院管理委員長のボブ・ネイに金を握らせカジノの運営を規制し、ある部族には「カジノ再開の手助けをする」と約束し、競合するもう一方には「他の部族にはカジノを開かせない」と、相反する要望を同時に受け、両方の部族から法外な報酬を巻き上げていた。
莫大な財産を得た2人はフロリダのカジノ客船を騙し取り、大学時代の友人アダム・キダンをパートナーに迎え経営を任せる。金にだらしないキダンは元の経営者であるギリシャ人と金銭トラブルを起こして襲われ、腹を立てたキダンはマフィアに全てを委ねた。すると、マフィアとの交渉を拒んだギリシャ人が殺されてしまう。同じ頃、巨万の富を湯水のように使って豪遊するスキャロンの「浮気」に気づいた婚約者のエミリーが、腹いせに2人をFBIに告発する─
新着映画情報
ケビン・スペイシー |
監督:ジョージ・ヒッケンルーパー |
2010/アメリカ/シネマスコープ/111分 |
アメリカ政権を手中に入れ、頂点を極めた男の天国と地獄とは?
アメリカ政界史上最大のスキャンダルと言われた”ジャック・エイブラモフ事件”を、「ファクトリー・ガール」(06)のジョージ・ヒッケンルーパー監督がケビン・スペイシーを主演に迎えて映画化。原題のBAGMANは、(不正な金をゆすったり配ったりする)仲介人の意味。アメリカではCASINO JACKと改題して公開。
【ジャック・エイブラモフ事件】
2006年、共和党の大物ロビイストであるジャック・エイブラモフと2人のホワイトハウス官僚、9人のロビイスト、議会議員達など、21人が贈収賄及びカジノ客船購入詐欺で有罪となり、「第二のウォーターゲート事件」と言われた、アメリカ政界史上最大のスキャンダル。
© BAGMAN (2009) INC