
ハンナは、やさしい夫と娘と共にニューヨークで暮らすごく普通の女性。けれど、彼女には、自ら封印した過去があった。それはポーランドの強制収容所で出会い、恋に落ちた若き政治犯トマシュとの、美しくも過酷で哀しい愛の記憶……。
1944年、二人は収容所から命懸けの脱出に成功する。共に生きることを誓った二人だったが、トマシュは祖国ポーランドのために抵抗運動に向かい、そのまま戻ることはなかった。そして1976年、ある日突然テレビから聞こえてきた“声”が、ハンナを一気に32年前に引き戻す。死んだはずの愛しい人は、生きているかもしれない。ハンナは、トマシュを探し始めるのだが…。