1986年。19歳の北町貫多は、明日のない暮らしを送っていた。日雇い労働の生活、なけなしの金はすぐに酒と風俗に消えてしまい、家賃の滞納はかさむばかり。そんな貫多が職場で、新入りの専門学生、日下部正二と知り合う。中学卒業後、他人を避け、ひとりぼっちで過ごしてきた貫多にとって日下部は、初めての「友達」と呼べるかもしれない存在に。やがて、古本屋で店番をしている桜井康子に一目惚れした貫多は、日下部の仲介によって、彼女とも「友達」になる。でも「友達」ってなんだろう……不器用に、無様に、屈折しながら、けれども何かを渇望しながら生きてきた貫多は、戸惑いながらも19歳らしい日々を送るが……。
新着映画情報
森山未來 |
監督:山下敦弘 |
2012/日本/113分/R15+ |
友ナシ、金ナシ、女ナシ。この愛すべき、ろくでナシ
第144回芥川賞を受賞した西村賢太の『苦役列車』。19歳の肉体労働者、北町貫多のどうにもひねくれた青春を綴ったこの小説が映画になった。主演は「モテキ」の超絶的な快演で現代を生きる男子のリアリティをダイナミックに体現した森山未來。孤独と鬱屈にねじり曲がりながら、なぜか憎めない貫多のひそやかな愛嬌を演じる。貫多と友情らしき何かが芽生える同僚、日下部役に「白夜行」の高良健吾。映画オリジナルのヒロイン・桜井康子役にAKB48の前田敦子。監督は「天然コケッコー」「マイ・バック・ページ」の山下敦弘。
(c)2012「苦役列車」製作委員会