ブルジョア一家の令嬢・早乙女愛は幼少期、雪山で見知らぬ少年に助けられた。その出来事は、彼女の心に“白馬の騎士との出会い”として、強烈な思い出となり刻み込まれた−。
それから11年後の1972年、新宿地下街。愛の前に現れたのは、超不良の太賀誠。それは運命の再会だった。不幸な少年時代の復讐を胸に東京へやって来た誠は不良グループとの殴り合いのケンカの果て、上京早々少年院送りに…。運命の人との再開を果たした愛は、誠を更生させるため、両親に頼みこみ、名門青葉台学園に誠を編入させる。さらにはアパートや学費を用意し「私は彼を立ち直らせる義務があります!私は誠さんを愛しています」と宣言。遂には、校則を破ってあやしい喫茶店でアルバイトまで始める。
愛の献身もむなしく、たちまち青葉台学園を退学処分となった誠は、不良たちの掃き溜めである花園実業に転入。愛も誠を追って花園実業へ―、さらに一方的な想いで愛を追いかけるメガネの優等生、岩清水弘も「きみのためなら死ねる!」とばかりに花園実業へ転がり込んだ。そんな中、スケバングループのガムコは、ガラの悪い女子軍団に全くひるまない誠に一目惚れ。一方、誠は静かな迫力と暗さを感じさせる女子高生、高原由紀と心を通わせていく。由紀を一方的に愛する用心棒・蔵王権太は嫉妬に燃え、ケタ外れの破壊力で誠に大怪我を負わせる。常に場違いな言動で空回りしながら誠を助けようとする愛、猛烈な一途さで絡んでくる岩清水。遂には影の大番長=裏番までもが動き出し、学園中を巻き込んだ大乱闘へと発展していく―。
新着映画情報
妻夫木聡 |
監督:三池崇史 |
2012/日本/シネマスコープ/ドルビーデジタル/134分 |
天使が悪魔に恋をした
誰にも止められない超不良・太賀誠、正真正銘のお嬢様・早乙女愛。天と地ほどに何もかも違う<天使と悪魔>ともいうべきふたり…。だがそこには運命の恋があった―。梶原一騎・ながやす巧原作による70年代の人気コミックを、「クローズZERO」「十三人の刺客」などの三池崇史監督が映画化。太賀誠を演じるのは妻夫木聡。誠に常軌を逸した献身を捧げる早乙女愛に武井咲。映画初出演とは思えない存在感で見事なコメディエンヌぶりを発揮している。
全編に流れる『激しい恋』『空に太陽があるかぎり』『あの素晴しい愛をもう一度』など、世代を超えた名曲の数々をアレンジし蘇らせたのは音楽プロデューサー、小林武史。そこにパパイヤ鈴木の振付けが加わり、ドラマチックな物語のテンションが加速してゆくー。
(c)2012『愛と誠』製作委員会