
暗殺集団“悲しき笛”に属するその寡黙な戦士は、幼い頃から厳しい修行に明け暮れ、人生のすべてを闘いに捧げて生きて来た。ついに最強の刺客を打ち倒した彼は、敵対勢力を皆殺しにするという目的を達成するが、最後の生き残りである赤ん坊をどうしても殺めることができない。戦士はすべてをなげうって新たな人生に踏み出すことを決意する。
森を抜け、船で海を渡った戦士は、旧友が住んでいるはずの異国の町ロードにたどり着く。だが、旧友はすでに他界しており、戦士は旧友が経営していたクリーニング店を引き継ぐことに。人口わずか50人のロードに子連れの戦士を迎え入れたのは、サーカス団を率いるエイトボール、ナイフ投げのじゃじゃ馬リン、酔いどれ男ロンなど、ひと癖もふた癖もある住民たち。天涯孤独の戦士はこの町に奇妙な居心地のよさを感じ、ぎこちなく赤ん坊を育てながら日々の仕事に勤しんでいく。それは長らく殺しの掟に縛られてきた戦士にとって、初めて経験する人間らしい生活だった。しかし、その平穏も長くは続かなかった.....。