「教えて。あなたは幸せだった?」マーガレット・サッチャー、81歳。最愛の夫亡き今振り返る、栄光と挫折、そして犠牲にしたかもしれない愛をーー
雑貨商の家に生まれたマーガレットは市長も務めた父の影響で政治を志すが、初めての下院議員選挙に落選。失望する彼女に心優しい事業家デニス・サッチャーがプロポーズする。「食器を洗って一生を終えるつもりはない」野心を隠さないマーガレットをデニスは寛容に受け入れる。双子にも恵まれ、幸せな家庭を築く一方で、マーガレットは政治家としての階段も昇り始める。失墜した英国を再建する。それは気の遠くなるような闘いだった。だが、彼女はその困難に立ち向かう。愛する夫や子供たちとの時間を犠牲にし、深い孤独を抱えたまま、たった一人で闘い続けた。
ー現在のロンドン。どんなに苦しい時も支え続けてくれた夫デニスは既に他界した。だが、マーガレットは未だに夫の死を認識していないのか、時折不可解な行動が目立つ。思い出の洪水の中で、デニスの遺品を手に取り、彼女はつぶやく。「あなたは幸せだった?」と。