1929年、ソルボンヌ大学に通うシモーヌ・ド・ボーヴォワールは、学内で天才と噂される有名人ジャン=ポール・サルトルから話しかけられる。サルトルはボーヴォワールの美しさと聡明さに一瞬にして恋に落ち「理想の女性だ」と宣言する。やがて二人は1級教員資格を目指して一緒に勉強をするようになる。試験はサルトルが首席でボーヴォワールが次席、しかもボーヴォワールは歴代最年少での合格だった。
普段から父が母をまるで召使いのように扱う事に疑問を感じていたボーヴォワールは、家を出て、哲学の教師として働き始めたサルトルと暮らす事を決意する。そんな時、母親から結婚話を押し付けられていた親友ローラの死を告げる手紙が届く。原因不明で死んだローラの亡骸と対峙したボーヴォワールは、ブルジョワ階級が持つ偽善的な倫理観とカトリック独特の道徳を心から軽蔑し憎んだ。
サルトルとの生活の初日、ボーヴォワールは思ってもみなかった提案を受ける。それはお互いに将来も含め愛し合いながら、他の関係も認め合うという自由恋愛で、しかも他の関係について嘘偽り無く全てを報告し合うというものだった。作家には刺激が必要だというサルトルの主張には納得出来なかったが、ごまかしに満ちた小市民的な結婚ではない“契約結婚”という説得に、「結婚」か「独身」しか女性にとって選択肢が無い社会に疑問を抱いていたボーヴォワールは、受け入れる事にする。しかしそれはボーヴォワールの深い苦悩の始まりだった・・・。
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新着映画情報
『サルトルとボーヴォワール 哲学と愛』
原題:Les Lamants du Flore
配 給 : | スターサンズ |
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公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2011年11月26日 |
映画館: | ユーロスペースほか全国順次ロードショー |
アナ・ムグラリス |
監督:イラン・デュラン=コーエン |
2006/フランス/デジタル/ステレオ/105分 |
1929年、パリ。二人は出会い、時代が動き始める。
1929年、互いにまだ学生だったサルトルとボーヴォワールは、ソルボンヌ大学で運命的な出会いを果たす。そして生涯を通じて公私ともに影響を与え合い、1980年のサルトルの死まで今で言う事実婚のパートナーとして支え合った。
本作は1929年の二人の出会いから、サルトルによって“実存主義”が世の中に広められ、同時にボーヴォワールの「第二の性」が発表された1949年までの愛の物語。学生時代の運命的な出会い、二人の新しい愛の形と葛藤、執筆の苦しみ、そして二人が時代の寵児となるまでの半生には、その著作からはうかがい知る事の出来ない壮絶なドラマがあった。また20年代“狂騒の時代(レ・ザンネ・フォル)”の末期から、サン・ジェルマン・デ・プレを中心に戦後の新しい文化やファッションの華が開いた時代を共に生きた、カミュ、ジュネ、モーリアック、ニザン、ハイデッガー、マルロー、ジッドなどの著名人たちも登場する。
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