新着映画情報
『ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』
配 給 : | 角川映画フィルムインク |
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公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2011年11月19日 |
映画館: | 角川シネマ有楽町、TOHOシネマズ 六本木、新宿ピカデリーほか期間限定ロードショー(12/2迄) |
(インタビュー出演者) |
監督:マーティン・スコセッシ |
2011/アメリカ/3時間30分(Part1,Part2の2部構成) |
音楽と共に生きたジョージ・ハリスン58年の人生の軌跡をアカデミー賞(R)受賞監督マーティン・スコセッシが描く。
<サウンド・イズ・ゴッド>―インドで出会ったラヴィ・シャンカールのその声に誘われるようにして自ら音楽の伝道師となり、ビートルズのリード・ギタリストから、ユニバーサルな音楽世界へと飛躍していったジョージ・ハリスン。その生涯の足跡を、貴重な未公開映像と彼を取り巻く多くの仲間たちの膨大なインタビューによって辿りながら、彼が切り拓いた壮大な音楽世界と<ジョージ・ハリスン>という実像を、巨匠マーティン・スコセッシ監督が慈愛にあふれる眼差しで見つめていく至福の音楽ドキュメンタリー映画。
1990年代、ビートルズの4人によって「ザ・ビートルズ・アンソロジー」のドキュメント映像が企画されていたとき、ジョージは密かに自らのアンソロジーを製作する夢を育んでいた。2001年、ジョージの死によってそれは叶わなくなったが、よき伴侶としてジョージを支えた妻のオリヴィエがその遺志を継ぐことになる。今回、彼女と共に製作を担当した映画プロデューサーのナイジェル・シンクレアと2人3脚で、2005年にプロジェクトを開始し、最終的に監督として白羽の矢を立てたのが、「ディパーテッド」で監督賞、作品賞をはじめ4部門でアカデミー賞を受賞したマーティン・スコセッシだった。
ザ・バンドの伝説的解散コンサートを追った「ラスト・ワルツ」、ブルース生誕100年を記念してその長く深い歴史を辿った7作シリーズ「ザ・ブルース・ムービー・プロジェクト」、ボブ・ディランのドキュメント「ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム」、そして古希を迎えてもなおロックンロール魂を持ち続け円熟の境地に達したR・ストーンズの滋味溢れるライブを撮った「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」と、スコセッシ監督に備わった類まれな音楽に対する深い造詣と卓越したセンスにより産まれたこれらの作品は、音楽ドキュメンタリーの名作として普遍的な高い評価を得ている。
ビートルズ解散後に編んだジョージのアルバム「リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」をそのままタイトルにした本作はこれまでの作品からさらに深化し、スコセッシ監督の音楽観の集大成ともいえる作品に仕上がっており、<ザ・ビートルズ>、<ジョージ・ハリスン>という偉大な名とともに音楽ドキュメンタリーの金字塔として長く語り継がれていくことになるだろう。
本作は、子供時代から青春期、高校の先輩だったポールに誘われビートルズに加入し、ハンブルグのライブ・ステージから世界へと羽ばたき世界中の若者を熱狂させ虜にしていく様子、そしてラヴィ・シャンカールとの出会いを通してスピリチュアルな世界へ開眼していくまでを描く【前半】と、ビートルズ解散後、自分の人生を哲学的に究めていくプロセスや、ビートルズから解放されて奔流のようにジョージ流の音楽を紡ぎ出していく様子、志をともにしたミュージシャンたちとのコラボレーション、さらには音楽以外の芸術分野やF1レーサーとの交流を追い、家族の回想を織り交ぜながら多面的に<ジョージ・ハリスン>の実像に迫っていく【後半】の2部構成から成る。
編集を担当したのは、「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」でスコセッシ監督とコンビを組んだデヴィッド・テデスキ。豊富な映像資料と新たなインタビュー映像を駆使し、約3時間半に及ぶリリシズムに溢れる超大作に仕上げたその手腕は、瞠目に値する。
「ヒア・カムズ・ザ・サン」、「マイ・スウィート・ロード」、「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」等、ジョージ自作の全27曲から、ビートルズ時代の名曲、さらにはエリック・クラプトン、ボブ・ディラン、ロイ・オービソン等、幾多のミュージシャンとのコラボレーション曲まで、名曲の誕生秘話を紹介しながらジョージ・ハリスンの音楽世界のエッセンスを余すところなく網羅した挿入50曲以上を、クリアな迫力あるサウンドで聴けるのも本作の大きな魅力のひとつである。