チェルノブイリ原発事故のあったウクライナの隣国、ベラルーシに住む少女カリーナ。夏休みの最後を大好きなおばあちゃんの住む田舎の家で過ごしていた。カリーナの一家はかつてこの家に住んでいたが、ママの発病、入院で家族はバラバラになっていた。パパはママの入院費を稼ぐために遠いロシア、モスクワで働いている。カリーナはベラルーシの首都ミンスクの親戚の家に預けられた。
今、田舎の家に住んでいるのはおばあちゃんだけだ。居住禁止区域のすぐ隣の村にあり、放射能汚染の危険がある家。カリーナにはまるで信じられないことだった。空も川も森も庭のリンゴもいつもと変わらずきれいに見えるからだ。
ある日、カリーナは入院中のママからこんな話を聞かされる。「チェルノブイリという街には悪魔のお城があって悪魔が毒を撒き散らしているのよ」 このことをカリーナはおばあちゃんに聞いてみた。するとおばあちゃんは「悪魔なんて神様がやっつけてくれるさ」と笑った。神様がいてくださる・・・カリーナは心強く思った。しかし、冬になるとおばあちゃんは病気になった。ママの病気も悪化した。カリーナはいつもより強く神様にお祈りした。だが、ついにカリーナ自身も病に倒れてしまうのだった。カリーナは神様を疑い始める。「神様はどうして悪魔をやっつけてくれないの?」
入院先の友達が次々亡くなっていく・・・。カリーナは死を目の当たりにして決意する。「神様が何もしてくださらないのならわたしが悪魔に頼んで毒をまくのをやめてもらおう」 こうしてカリーナは病院を抜け出し、悪魔のお城があるチェルノブイリを目指して旅立った・・・。
新着映画情報
『カリーナの林檎〜チェルノブイリの森〜』
配 給 : | カリーナプロジェクト 配給協力:パル企画 |
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公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2011年11月19日 |
映画館: | シネマート六本木ほか全国順次ロードショー |
ナスチャ・セリョギナ |
監督・脚本:今関あきよし |
2011/日本/ヴィスタビジョン/ドルビーステレオ/109分 |
2003年、今関あきよし監督が最初にこの映画を撮ろうと思ったきっかけは、車の中で何気なく 聞いていたラジオだった。チェルノブイリ原発事故のことを語る内容で、今もまだその被害が続いていることに驚くと同時に、10年以上前に訪れたロシアの田舎町の美しい風景を思い出していた。 「あの地でチェルノブイリ原発事故のその後の悲劇をテーマとした作品を撮りたい」それが出発点だった。
2004年、映画「少女カリーナに捧ぐ」が完成したものの公開の目処が立たず、2010年には再度チェルノブイリ及びその周辺へ取材に行き、最新の現地取材映像などを加えて再編集。そして2011年版としてタイトルを「カリーナの林檎〜チェルノブイリの森〜」に改め、この度の公開となった。
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