1999年、世紀末。砧涼介、25歳のフリーター。役者への夢を挫折し、パチンコやその場しのぎのアルバイトに明け暮れる日々のなか、誘われるままにうまい儲け話に乗ったところ、逆に多額の借金を背負わされてしまう。砧は借金返済のために、日給5万円という高額の運送屋のアルバイトをすることに。運送の仕事を仕切るジョーと、彼をサポートするジジイ。二人とともに初仕事にかかった砧だったが、運んでいたものは、なんと死体だった。「運び屋(スマグラー)」の仕事は危険な荷物の運搬と処理。高額報酬の理由はそこにあったのだ。
その初仕事ををきっかけに、自分が飛び込んだ世界が、たった一度のミスすら命取りになる、死と隣り合わせの世界であることを砧は知るのだった....。
新着映画情報
妻夫木聡 |
監督: 石井克人 |
2011/日本/114分/PG12 |
秘密の運送屋(スマグラー)--- たった一度のミスすら命取りになる、死と隣り合わせの仕事
原作は、真鍋昌平の同名コミック。デビュー以来、社会の底辺に生きる人々の苦悩と喘ぎをリアルな暴力と繊細な心理描写で描き、多くのファンを獲得してきた真鍋だが、初期の代表作「スマグラー」(’00)はその中でも10年後の現代をまんまと予見した特に注目すべき作品。主人公・砧(きぬた)の苦悩と彼が直面する試練を描いた本作のメッセージ、コミックから取り入れられたキレのある台詞の数々が混迷の現代を生きる多くの人々の胸に強く響き、大きな勇気と希望を与えるはずだ。
主人公・砧を演じるのは、昨年公開の「悪人」で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞に輝き、俳優として大きく成長した妻夫木聡。さらに砧を取り巻く個性的なキャラクター、スマグラーのリーダー、ジョーに永瀬正敏、裏社会の便利屋女社長に松雪泰子、田沼組組長の若妻・ちはるに満島ひかり、伝説の殺し屋に安藤政信など。
(c)真鍋昌平・講談社/2011「スマグラー おまえの未来を運べ」製作委員会