デンマークに家を持つスウェーデン人医師のアントンは、アフリカの地に赴任し、キャンプに避難している人々の治療を行い、いつも子供たちの笑顔に歓迎されていた。様々な患者の中には、妊婦の腹を切り裂く悪党“ビッグマン”の犠牲者もいた。アントンの息子エリアスは、歯の矯正によって“ネズミ顔”とバカにされイジメを受けていた。医師の母マリアンと幼い弟のモーテンと暮らしているが、母親には心を開いていない。父親のアントンが大好きなエリアスはその帰国を喜ぶが、アントンの浮気が原因で両親は別居したままである。
ある日、エリアスは、母親の死でロンドンから祖母の家に移ってきた転校生のクリスチャンと机を並べることになる。放課後、イジメっ子のソフスにエリアスは絡まれるが、クリスチャンも巻き添えを食ってしまう。翌日、クリスチャンはソフスを殴り倒し、今後自分たちに手を出すなとナイフで脅す。ソフスの怪我が表沙汰になり、親が呼び出されて別々に尋問されるが、二人ともナイフの存在は明かさず、行為の正当性を主張する。帰りの車中で報復にはきりがないと諭す父クラウスに、クリスチャンはやり返さなきゃだめだと口応えする。
お互いの境遇を話し合ったエリアスとクリスチャンは、親密さを増しその距離を急速に縮めていく―。