
南イタリア、プーリア地方の伝統的な美しい町レッチェ。カントーネ家は祖母の代からパスタ会社を経営する名門家族。祖母は義理の弟と一緒にパスタの会社を切り盛りしていたが今は引退し、成就しなかった若き日の恋の思い出にとらわれている。現在の社長は息子に後を継がせて幸せなファミリービジネスを夢見る父親ヴィンチェンツォ。母親ステファニアは、いつも気の利かないお手伝いを大声で叱っている。叔母ルチアーナは独身で、アルコールに依存気味。カントーネ家の子供たち3人は、長男アントニオが父親の片腕となりパスタ会社を手伝っていて、長女エレナの結婚したナポリ出身の婿は頼りなく、パスタ会社で働いているが父親からあまり気に入られていない。そして一家の末っ子、トンマーゾは自由にローマで学生生活を送っていた。
ある日、一家のパスタ会社を息子たちの代と共同経営者とに引き継ぐための重要なディナーが開かれることになり、トンマーゾは久々に故郷レッチェに帰ってきた。そのディナーの席で彼は3つの秘密を家族に発表することを、兄アントニオに打ち明けた。大学は家族の望んでいた経営学部でなく文学部を卒業したこと。そしてパスタ会社を継ぐ気はなく、作家になりたいこと。最後の3つ目は自分がゲイであること。それを告白してさっさとローマに戻ろうと思っていた。ところがディナーの席で、トンマーゾがいよいよ告白しようとした矢先、アントニオが先に「30年間言わずに我慢してきました。僕はゲイです」とカミングアウトをしてしまう。父は驚愕、憤怒のあまりアントニオに勘当宣告したまま卒倒し、家族は大騒ぎに。トンマーゾは告白の機会さえ失い、ローマにも戻れず茫然自失。アントニオの代わりとして父親に懇願されパスタ会社を共同経営者の娘アルバと一緒に任されることになってしまう・・・。