戦争末期に召集された100名の中年兵は、上官によるクジ引きによってそれぞれ次の戦地が決められた。宝塚に赴任する松山啓太は、フィリピンへ赴任することになった森川定造に妻・友子からの一枚のハガキを託される。
――今日はお祭りですが あなたがいらっしゃらないので 何の風情もありません――
「検閲があり返事が出せない。そして俺は死ぬだろう。お前が生き残ったら、このハガキは読んだと妻に伝えてくれ」と、啓太は定造から依頼された。
そして、終戦。100名の内、生き残ったのはたった6名だった。啓太は生き残り、故郷に帰ったが、待っている者はいなかった。ハガキを書いた友子は夫の亡き後、義父に懇願され夫の弟と再婚したが、弟にも赤紙がきて戦死した。義父がショックで死に義母は自殺。貧しい農家にひとり残った友子のもとに、啓太がハガキを持って訪ねてきた……。
新着映画情報
『一枚のハガキ』
配 給 : | 東京テアトル |
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公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2011年08月13日 |
映画館: | 全国ロードショー 8/6(土)テアトル新宿、広島・八丁座にて先行ロードショー |
豊川悦司 |
原作・脚本・監督:新藤兼人 |
2011/日本/114分 |
召集された兵士100名のうち、94名が戦死し6名が生きて帰ってきた。その生死を分けたのは、上官が彼らの任務先を決める為にひいた”クジ”だったーー。
本作は、生き残った兵士6名のうちの一人であった新藤兼人監督の実体験をもとに作られた。人の命が”クジ”に左右され、兵士の死は残された家族の存続も脅かす。そんな戦争の愚かしさを、体験者ならではの目線で時に激情を交え、時に笑い飛ばすように描いてみせる。生命力あふれる映像美とともに観る者の魂に訴えてくるのは、”反戦への想い”と”人間の生きる力のたくましさ”。
(c)2011「一枚のハガキ」近代映画協会/渡辺商事/プランダス