鞘しか持たない侍、野見勘十郎。ある出来事をきっかけに、戦うことを拒絶し刀を捨てた伊香藩水位微調役の勘十郎は、一人娘のたえとあてのない旅を続けていた。そしていつしか無断で脱藩した罪により勘十郎の首には懸賞金がかけられていた。「父上! いつまで逃げるおつもりですか! それでもお侍ですか!」 たえに激しく叱責されながらも、だんまりを決め込み、三味線のお竜、二丁短銃のパキュン、骨殺師ゴリゴリといった凄腕の賞金稼ぎから逃れ続ける勘十郎。だが逃げ切れず、遂に多幸藩の追っ手によって捕らえられてしまう。
変わり者として名を轟かせる多幸藩の殿様が勘十郎に処したのは「三十日の業」。母君を失った悲しみで笑顔をなくした若君を、一日一芸で三十日の間に笑わせられたら無罪放免、できなければ切腹というものだったー。
新着映画情報
野見隆明 |
監督・脚本:松本人志 |
2011/日本/ヴィスタビジョン/ドルビーデジタル/103分 |
鞘しか持たない侍とその娘、30日間の戦いー。
「大日本人」、「しんぼる」に続く、松本人志監督3作目となる本作で挑んだのは、オリジナルストーリーの時代劇。侍でありながら鞘しか持たない父と、その不甲斐なさに反発する娘。二人は「三十日の業」に立ち向かう中、周囲の人々に支えられ、次第に絆を育んでいく。奇抜な設定で世を驚かせてきた監督・松本が、今回力強く描き出すのは、いつの時代も変わらない普遍的な親子の愛情。主人公の勘十郎役に抜擢されたのは、松本が司会を務めたバラエティ番組『働くおっさん劇場』で強烈なインパクトを残した一般男性、野見隆明。
(c)2011 「さや侍」製作委員会