スペイン、郊外の街。盲目の女性サラの首吊り死体が自宅地下室で発見される。サラは先天的な進行性視力低下の病のため1年前に失明に至っており、移植手術を行うためドナーを待っている状態が続いていた。「悩んだ挙句にサラは自殺した」と断定する地元警察。しかし、半年振りにサラに会いに来た双子の妹フリアは、姉の死に対しどこか釈然としないものを感じた。
サラもフリアと同じく進行性の視力低下に陥っており、夫イサクは彼女の平穏な生活が崩れることによって病が進行することを危惧していた。そんな彼の心配をよそに、フリアはサラと親交があったという老婦人や盲人福祉センターに通う若い女性たちに話を聞きに行く。そこで彼女は、サラと付き合っていたという恋人の存在を知る。しかし、誰しもが口をそろえて彼の顔を見ていない、という。
サラの足跡をたどるフリアの周りでも、正体の見えない不穏な人影がチラつき始める。彼女の目の病も進行し、完全失明までに残された時間は1ヵ月。そして犯人は、確実にフリアに近づきつつあった…。