スペインの大都市、バルセロナ。その華やかなイメージの陰には、厳しい現実と日々対峙する人々の暮らしがある。その大都市の片隅で生きる男ウスバルは、妻と別れ2人の幼い子供たちと暮らしていた。生活は決して裕福とはいえず、日々の糧を得るためにはあらゆる仕事を請けおい、時には非合法な仕事をも厭わずに働いた。ただ、生きていくために・・・。
しかしある日、ウスバルに絶望が訪れる。それは“末期癌”の宣告。彼に残された時間は2ヶ月。家族に打ち明けることもできず、着実に忍び寄る死への恐怖と闘いながらも、ウスバルは愛する子供たちのために残された時間を生きることを決意する。
新着映画情報
『BIUTIFUL ビューティフル』
原題:Biutiful
配 給 : | ファントム・フィルム |
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公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2011年06月25日 |
映画館: | TOHOシネマズ シャンテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー |
ハビエル・バルデム |
監督・原案・脚本: |
2010/スペイン・メキシコ/スペイン語/ヴィスタビジョン/148分/PG-12 |
父が生きた証。 死を宣告された男の美しくも儚い最後の生きる姿。
長編デビュー作「アモーレス・ペロス」で世界にその名を轟かせたアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督。これまでのイニャリトゥ作品に見られる群像劇スタイルから一変、本作「BIUTIFUL」では一つの街を舞台に、母国語で撮影することにこだわった。本作について「人間が生命を失うという避けられない出来事に直面した時、人生について考える作品を撮りたかった。そしてこの物語を父に捧げる」と語る監督は、19歳の時に初めて黒澤明監督作品に出会い、その斬新なストーリーテリングの手法に衝撃を受けた。本作では、死に直面した男の心理を描く黒澤映画の代表作「生きる」のワンシーンを引用するなど、黒澤監督への尊敬の意を込め、劇中にオマージュを盛り込んだ。自身の原点を見つめるという意味でも、監督にとってこれまでのどの作品よりも強い想いが込められた作品となった。
そして、「ノーカントリー」でアカデミー賞を受賞したハビエル・バルデムが、本作への監督の強い想いを全身全霊で受けとめ、闇の中でもがき苦しみ、そして生きようとする主人公ウスバルに身を捧げた。バルデムは本作でカンヌ国際映画祭主演男優賞に加え、アカデミー賞にもノミネートされた。
(c) Menageatroz S. de R.L. de C.V., Mod Producciones S.L., Ikiru Films S.L.