
7月8日金曜日、午前4時―大阪が全停止した。遡ること4日前の月曜日。東京から大阪に三人の会計検査院調査官がやって来た。税金の無駄遣いを許さず、調査対象を徹底的に追い詰め“鬼の松平”として怖れられている、松平元。その部下で、天性の勘で大きな仕事をやってのけ"ミラクル鳥居"と呼ばれている、鳥居忠子。日仏のハーフでクールな新人エリート調査官、旭ゲーンズブール。三人は順調に大阪での実地調査を進め、次の調査団体のある空堀商店街を訪れる。
その商店街には、ちょっと変わった少年少女がいた。お好み焼き屋「太閤」を営む真田幸一と竹子夫婦の一人息子・真田大輔は、「女の子になりたい」という悩みを抱えていた。その幼馴染・橋場茶子は、大輔とは対照的に男勝りで、いつも大輔を守ってきた。そんな空堀商店街を訪れた調査員一行は財団法人「OJO(大阪城跡整備機構)」に不審な点を感じる。徹底的な調査を重ねるも、経理担当の長曽我部にのらりくらりとかわされる。諦め始めた鳥居も「これでOJOが嘘をついているとしたら、大阪中が口裏を合わせていることになりますよ」と不満をもらす。そのとき、松平の脳裏にある考えがひらめいた。「そうだ、大阪のすべての人間が口裏を合わせている!」
意を決して、再び「OJO」を訪れた松平の前に現れたのは、お好み焼き屋「太閤」の主人・真田幸一だった。そして、発せられた幸一の言葉に松平は耳を疑った。「私は大阪国総理大臣、真田幸一です」!!