宮廷付き指揮者になろうと若い希望を燃やしていたモーツァルト。彼に心を捧げているのは、ウェーバー家の娘コンスタンツェ。二人は結婚する。しかし、モーツァルトが本当に愛しているのは、コンスタンツェの姉で歌手のルイーゼだった。
出世を妨げようとする楽人たちの嫉妬を物ともせずに、モーツァルトは「後宮からの逃走」「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」とオペラの大傑作を立て続けに発表する。その成功の陰には、妻の存在以上にヒロイン役を歌うルイーゼの存在があった。妻コンスタンツェは、夫モーツァルトと姉ルイーゼとは、もはや分かち難い愛情で結ばれていることを悟り、モーツァルトの許を去ろうと決意する‥‥。