17歳の修学旅行で訪朝して以来、幾度となくピョンヤンを訪れ、生まれた頃から交流を続けてきた姪のソナの成長を温かいまなざしで見つめながら、70年代に“地上の楽園”とされた祖国に自分の息子を送り出した父の苦悩と、その老いを厳しい視線で映し出す。選択の機会が与えられない社会で生まれ育ったソナと生まれた時から自由を謳歌しながら育った自分を重ね、ふたつの国に暮らす自分の家族の生きざまを描きながら、そこには思想や価値観の違いを超えた、誰もが感じることの出来る家族への深い愛が浮かび上がってくる。
新着映画情報
ドキュメンタリー |
監督:ヤン・ヨンヒ |
2009/韓国・日本/82分 |
大阪で生まれ育った在日二世の映像作家ヤン・ヨンヒが、自身の家族の10年間を描いた前作「ディア・ピョンヤン」は、ベルリン国際映画祭最優秀アジア映画賞をはじめ、サンダンス映画祭審査員特別賞、山形ドキュメンタリー映画祭特別賞など、多くの賞を受賞し、世界中を笑顔と涙で包みこんだ。あれから5年、底抜けに明るいヤン家が帰ってきた。 本作は帰国事業によって北朝鮮に移り住んだヤン監督の3人の兄と姪のソナを長年に渡って追い続け、近くて遠い二つの国をつなぐ絆と愛を描いた可笑しくも切ない家族の物語。