野生のキツネ・Mr.Foxは盗みのプロで、農家からニワトリやアヒルを失敬するのが日々の仕事。Mrs.Foxから妊娠していると告げられた秋のある日、二人でひな鳥をいただこうとたくらんでいるときだった。うっかり農家の主人がかけた罠に引っかかってしまい、二人は絶体絶命のピンチに。捕えられた檻のなかでMr.Foxは、明日まで命があれば泥棒家業から足を洗うことを誓った。
―2年後(12キツネ年後)―
ガゼット紙の記者として働くMr.Foxは、Mrs.Foxと12(キツネ)歳になる変わり者の息子アッシュの3人で、穴暮らしをしていた。Mrs.Foxは今の生活にそれなりに満足している様子だけど、42(キツネ)歳になったMr.Foxは、貧乏な穴ぐら生活に飽き始めていた。「見晴らしのいい家を買って、もっといい暮らしがしたい!」そんな欲求にかられたMr.Foxは、「キツネが穴のなかで暮らすのには理由があるのよ」というMrs.Foxの言葉をよそに、丘の上に立つ大木の家を購入することにする。しかし、アナグマの弁護士のバジャーはMr.Foxの物件購入には大反対。なぜなら、丘の反対側にはボギス、バンス、ビーンという、谷が始まって以来もっとも意地が悪く、もっとも薄汚く、もっとも醜い3人の農場主が住んでいるから。彼らの家から丸見えの大木一体は極めて危険地域なのだという。
それでもMr.Foxはバジャー弁護士の忠告を無視して家を購入し、一家は大木へ引っ越しをする。そして、これを機にMr.Foxの泥棒稼業が復活する。野生の本能が目覚めたMr.Foxは、フクロネズミの管理人のカイリを巻き込んで、3人の農場主たちの飼育場から昔のように獲物を盗むことに熱をアゲる。盗みの規模が大きくなるにつれて生活は楽になるが、Mrs.Foxは夫が昔たてた誓いを破っていることに勘づきはじめる。
一方、獲物を盗まれた農場主たちの怒りは絶頂に達していた。結束した3人の男たちはMr.Foxを撃ち殺そうと大木の前に張りこみ、銃を構えてそのときを待っていたーー。
新着映画情報
『ファンタスティック Mr.FOX』
原題:Fantastic Mr. FOX
配 給 : | ショウゲート |
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公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2011年03月19日 |
映画館: | シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー |
(声の出演) |
監督:ウェス・アンダーソン |
2009/アメリカ・イギリス/ヴィスタビジョン/ドルビーデジタル/87分 |
『チョコレート工場の秘密』(「チャーリーとチョコレート工場」の原作)を筆頭に、ブラックユーモアとイマジネーションが織りなす技ありの短編で知られるロアルド・ダール。作品発表からすでに40年以上のときを経ているものの、今なお世代を超えて多くの人たちに愛され続けているカリスマ作家だ。そんなカリスマ作品『すばらしき父さん狐』を「ダージリン急行」(07)など、独自の世界観を構築することで知られる現代の異才ウェス・アンダーソンが映画化。
小学生のときに初めて原作を読んだ瞬間から物語と恋に落ちたアンダーソンは、いつか本作を映画化したいと願い続け、その夢がついに本作で現実となった。そして、CGや3Dが主流となっている現在の映画界であえてパペットを使用したストップモーションにこだわり、1秒間に24コマ撮り(本編87分!)という気の遠くなるような時間と手間と愛情をかけてついに作品は完成に至ったのだ。
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