コロラド州在住のバートとヴェローナの平穏な同棲生活に、予期せぬ転機が訪れた。それはヴェローナが子供を宿したというよくある話だったが、彼女が妊娠6ヵ月を迎えた頃、ふたりは重大な事実に気づく。もう30代半ばに差し掛かったというのに、自分たちの生活基盤が何ひとつ固まっていないことに。幸いにも心から愛し合っているバートとヴェローナは、とりあえず“どこに我が家を構えるか”という最も基本的な問題の解決に取り組むことにした。かくしてコロラドを旅立ったふたりは、家庭作りの先輩であり、未来の隣人候補でもある友人&知人たちを訪ねて北米各地を転々とするのだが……。
新着映画情報
『お家(うち)をさがそう』
配 給 : | フェイス・トゥ・フェイス |
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公開日: | 2011年03月19日 |
映画館: | ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー |
ジョン・クラシンスキー |
監督:サム・メンデス |
2009/アメリカ/ヴィシタビジョン/ドルビーデジタル/98分 |
出産という一大事を控える若きカップルが “お家(うち)さがし”の迷走の果てに見つけた、大切な“幸せのありか”とは?
舞台演出家としての輝かしいキャリアを引っさげて映画界に進出し、デビュー作「アメリカン・ビューティー」でいきなり作品賞、監督賞を含むアカデミー賞5部門を制したサム・メンデス監督。その後もトム・ハンクス主演のギャング映画「ロード・トゥ・パーディション」、湾岸戦争帰還兵の手記を映画化した「ジャーヘッド」という快作を連打したこの名匠は、レオナルド・ディカプリオ&ケイト・ウィンスレットの豪華共演による壮絶な夫婦の葛藤劇「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」でも絶賛を博し、今やハリウッドで最も次なる動向が注目される監督のひとりとなった。
待望の長編第5作「お家(うち)をさがそう」は、そんな映画ファンの期待をポジティブな意味でするりと裏切ってみせるロードムービーだ。どこにでもいるごく普通の30代カップルを主人公にしたこの映画は、決してテーマも映像スタイルも斬新ではない。そればかりか、あらゆるディテールが緻密かつシャープに研ぎ澄まされていた過去4作品のどれともまったく趣の異なる、優しくて温かな一作に仕上がっている。
「かいじゅうたちのいるところ」の脚本家デイヴ・エッガースが、ヴェンデラ・ヴィーダとともに執筆したオリジナル・ストーリーに感銘を受けたメンデス監督は、真新しい顔ぶれのスタッフ&キャストとの共同作業を志向。ハリウッドの制約を逃れるかのようにスタジオを飛び出して地方ロケを実施し、驚くほどみずみずしく軽やかで、親密な空気感に満ちた映画を撮り上げた。