ある昼下がり、ピアニストのアイの心の中に、青空の彼方から「なにか」が落ちて来る。時を同じくして、まったく別の場所で暮らす会社員のユウと高校生のケイも同じ感覚に襲われ、その場に倒れて気を失う。三人はすぐに何事もなかったように目覚めるが、その日を境に「奇妙な思い」に取り付かれるようになる。それまで気にも留めなかった些細な出来事が、何か大切なメッセージを伝えているように感じられるのだ。「なにかが私を呼んでいる」、日に日に「奇妙な思い」は強くなる。
アイの父と母は、家族を避けるような、アイの言動に戸惑う。ユウの恋人は、殻に閉じこもるようになったユウに不安を隠せない。ケイの母も、いつもと違う娘の様子が気になって仕方ない。彼らは愛する者の孤独にただ狼狽するばかりで手を差し伸べることができない。そんなある日、何処からか謎の女性が現れる。それを機に、アイ、ユウ、ケイ、三人の「思い」がシンクロする。同じイメージを見、同じメロディを聞き、同じ言葉を呟き始める‥・。
新着映画情報
尾野真千子 |
監督・脚本:一尾直樹 |
2010/日本/ヴィスタビジョン(1.85:1)/DTSステレオ/92分 |
この映画は、愛をみつけることを怖れているあなたのための処方箋。
別々の場所で関係なく暮らす3人。ある日、彼らは突然「それ」に取り付かれ、自らの内面に閉じこもりはじめる。周りの家族や恋人は、彼らの豹変に戸惑うばかりだ・・・。
つながりたいけどつながれない、現代の関係性をテーマに、「溺れる人」(00)の一尾直樹監督が描く長編第2作。
(c)2010「心中天使」製作委員会