![ストーリー](http://www.movienet.co.jp/images/movie_icon_story.gif)
東京で一人暮らしをしている修一は、まりとの結婚に向けて、2人で暮らす部屋を探していた。それと同時に修一の両親が引っ越すという。引っ越しの前日、母・慶子から電話をもらうまで、そのことをすっかり忘れていた修一。久しぶりに実家に帰ると、家は留守。秘密のカギ置き場=植木鉢の下を探る……鍵がない。母も昔から忘れっぽい。
靴職人の父、専業主婦の母、2つ上の姉、そして5歳離れた弟。ありふれた家族構成。家族で行った海へのドライブ、変な歌を歌う母、道端で拾った子犬。ゲームのルールでした弟とのケンカ、姉とごまかしたお年玉、3人で分け合ったプラッシー、001から回し続けてようやく開いた学校の三ケタ錠、ほのかな憧れを抱いた隣のきれいなお姉さん、バイクを盗んで追いかけてきた警官、大好きだった母特製のクリームシチュー、そして、姉の結婚で父が流した涙・・・。修一は荷物が運び出されていく生まれ育った家を眺めながら、笑顔に溢れ、明るくにぎやかだった日々を思い起こして行く。
ある日、偶然訪れた不動産屋で接客されたのは、小学校で同級生だった小倉弘之。子供の頃のとある事件があってから連絡を取っていない。今思い起こしてみれば、大したことのない思い出だったが、なぜか修一の心に残り続けていたわだかまり。修一はまりにその事を正直に話した。話を聞いたまりに背中を押されて不動産屋を訪れ、小倉に謝ろうと声をかけた修一だったが、結局、気まずい空気が流れ、無口になってしまうだけだった。
その帰り道、修一はケガをして歩けなくなった少年とその弟に出会う。少年をおぶって歩きながら思い出す自分と弟とのこと。兄弟を家に送り届けたときに足を捻り、思い出した母の手当。帰宅後、家で寝ていて思い出した、父なりの不器用な看病。様々な家族との出来事を思い出した修一は意を決し、再び小倉を訪ねるのだった。