美しい村、静かな暮らし 聴こえてくる魔物の足音
舞台は第一次世界大戦前夜の北ドイツの小さな村。大地主の男爵を中心に、人々が静かに暮らすプロテスタントの村を、数々の奇妙な事故が襲う。やがて連なる“罰”の儀式・・・・疑心暗鬼の村人たち、そして苦しむ子供たち。この村に一体何が起こっているのか?
すべてはドクターの落馬事故から始まる。小作人の転落死、男爵家の火事、荒らされたキャベツ畑、子供の失踪。それぞれの事件が、徐々に村の空気を変えていく。誰の仕業なのか、皆が不信感を募らせる。そして村人たちの素顔が、次第に浮き彫りになっていく。陽気な収穫祭に沸き、澄んだ讃美歌の響く教会に集うこの村に潜む、悪意、暴力、嘘、欺瞞。少年の腕に巻かれた白いリボンは、「純真で無垢な心」を守れるのだろうか・・・。