それは、22年前に姿を消した女が書かせた恐ろしく悲しい物語…
10年間、韓国最高のベストセラー作家として君臨してきたペク・ヒス。彼女が発表した新作小説が、ある公募展の審査委員を引き受けたときの公募作品の盗作だという疑惑を受け、一瞬にして作家としての名声を失い、結婚生活にまで支障をきたす。その後2年間、創作できない状況に陥っていたヒスは、長年の友人である出版社の編集長の勧めで、再起を誓い、娘ヨニとともに人里離れた山奥の別荘に向かう。
訪れた別荘は、背筋が凍るような雰囲気を漂わせていた。堅く閉ざされた2階の隈にある不気味な部屋、家全体に響く奇怪な音、作業室の天井に次々と広がっていく黒いカビ。そんな中、ヨニは「お姉さん」と呼ぶ正体が分からない誰かと会話をし始める。創作に渇望していたヒスは、次第にヨニが話す奇妙な物語に執着してその話を小説として完成させる。そして、ベストセラー作家として再起する。 しかし、その話は10年前に発表された小説と同じ内容であることが明らかになり、彼女はもう一度、盗作疑惑の渦中に立つことに。あの別荘には何かある、と感じたヒスは、盗作疑惑を晴らすため再び人里離れた村を訪れる。そこで彼女が知るのは、自身の小説と別荘にまつわる恐ろしい事件だった…。