仏の道を志し、禅寺で奉仕の日々を送る、ウツの僧侶・浄念。多くの僧侶が、時に故人を見送り、人々に説法を説き仏道に静かに精進する中、彼の心中は穏やかではない。妻も子供もおり、寺で任される仕事も増えてきたが、何事にも“慣れない”不器用な彼は、法事や説法すら思い通りにいかない日々。そんな浄念の心にひっかかっている、なくてはならないもの・・・それは音楽。
そしてついに、「どうしてもライブをやりたい」と言い出す浄念。しかし、妻は「もうやらないって約束したじゃない」と反対し、「この町にそんなしゃれたとこなんてないでしょ」と住職も渋い顔。檀家たちは「坊主に音楽なんて必要ない。罰当たりだ」と怒りだす始末。果たしてライブは実現するのか!?
新着映画情報
『アブラクサスの祭』
配 給 : | ビターズ・エンド |
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公開日: | 2010年12月25日 |
映画館: | テアトル新宿ほか全国順次ロードショー 10月9日より福島県先行ロードショー |
スネオヘアー |
監督:加藤直輝 |
2010/日本/113分 |
坊主だって、悩みはある! ライブ(音楽)とは生きていくこと。
音楽に向き合うことで懸命に生き抜こうとする僧侶と、彼を支えながらも不思議と彼に癒されていく周囲の人々を描いた本作品。物語にちりばめられているのは、「自分」をまるごと受け入れて生きるための“禅”の教え。
純粋ゆえに悩み深き主人公の浄念には映画初主演のスネオヘアー。浄念そのものの真摯な姿と、本物のミュージシャンならではの渾身のライブシーンは必見。妻・多恵をともさかりえが演じ、夫婦漫才のように絶妙なやりとりを繰り広げる。監督は、東京藝術大学で北野武、黒沢清に師事した新鋭・加藤直輝。原作は、福島県にある福聚寺の現役住職で芥川賞作家の玄侑宗久(げんゆう そうきゅう)。氏の作品としては初の映像化。撮影は全編、原作者在住の地でもある福島にて行われ、息子の理有役ほか、オーディションを勝ち抜いた地元キャストも多数参加し、「祭」を盛り上げている。
<アブラクサスとは?>
2世紀の異端宗教グノーシス主義、バシリデス派の信者達が最高神と崇めた神。悪魔学者たちが、魔神と考えたことも。ヘルマン・ヘッセ「デミアン」の中にも登場。「アブラクサスは、神でも悪魔でもある神であった」とある。(新潮文庫「デミアン」高橋健二訳 P.139)
呪文「アブラカダブラ」の語源との説もある。
(c) 「アブラクサスの祭」パートナーズ