10歳の少年オスカーは、白血病を患い小児病棟に入院していた。病について真実を語ろうとしない医師や両親とは対照的に、ただ一人、率直にオスカーに接してくれた大人が、院内で偶然出会った口の悪い宅配ピザの女主人ローズだった。 そんな12月のある日、オスカーは自分の命が残り少ないことを知ってしまう。 腫れものに触るような大人たちの態度、息子に会うことを怖れる両親に幻滅した彼は、心を閉ざし、誰とも口をきかないように…。手を焼いた病院長は、オスカーが唯一面会を許可したローズを捜し出し、助けを求める。
ローズは離婚後、子供用ドレス店を営む母の元で一緒に暮らし、宅配ピザ店を開業していた。過去の失敗、亡き父への複雑な思いから、恋人の愛の言葉すら信じられないでいた。そして、病人も慈善も嫌いなローズは、少年の話し相手になって欲しいという院長からの依頼を一旦は断るが、毎日のピザ配達を交換条件に出され、オスカーの元を訪れる約束をする。
だが、オスカーは院長とローズとの約束がわずか12日間と知り、自分の余命が短いことを察してしまう。落ち込む少年に、ローズは1日を10年間と考え日々を過ごすこと、また毎日神様に宛て手紙を書くよう勧める。 初めての恋、結婚、試練、最愛の妻との別離…その日からオスカーの毎日は、病院を舞台に目まぐるしく展開していく。そして彼と過ごした日々は、過去に囚われていたローズの頑なな心をも溶かしていくのだった。
新着映画情報
『100歳の少年と12通の手紙』
配 給 : | クロックワークス、アルバトロス・フィルム |
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公式HP: | 別ウィンドウで公式HPを表示 |
公開日: | 2010年11月06日 |
映画館: | TOHOシネマズ シャンテ他にてロードショー |
ミシェル・ラロック |
監督・脚本・原作: |
2008/フランス/シネマスコープ/ドルビーデジタル、DTS/105分
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病気と闘う少年が、わずか10日間で100歳まで駆け抜けた人生。 そこで知った、生きる意味と大切な人たちとの絆。
人は人生という贈り物を過大評価して、永遠の命を手にしたと思い込む。
その後、こんどは低く評価して、
人生はバラ色じゃない、短かすぎると考え、投げだそうとまでする。
でも最後には、人生は贈り物じゃなくて借り物だということに気づく。
すると人生に恥じない生き方をしようとする。
僕は100歳で、自分がなにを言っているかわかっています。
人は年をとればとるほど、人生を味わうためのセンスが必要になる。
洗練された人、芸術家にならなくちゃならない。
10歳とか20歳とかのときには、どんなばかでも人生を楽しむことができるけど、
100歳になって体がいうことをきかなくなったら頭を使わなくちゃならない。
僕は少しくたびれました。
また明日、おやすみなさい。
OSCAR オスカー
原作は、フランスで160週にわたり売上ベストテンにランクイン、累計30万部を売上げ、今も世界40カ国で愛され続ける感動の大ヒット小説。作者は、「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」(原作・脚本)、「地上5センチの恋心」(監督・脚本)などで知られるフランスを代表する人気劇作家兼監督のエリック=エマニュエル・シュミット。キャリアを変えた渾身の作品を自らの手で映像化。 シュミットの洗練された台詞とファンタジックな世界観、そして「シェルブールの雨傘」「ロシュフォールの恋人たち」など数々の有名な映画音楽を手掛ける巨匠ミシェル・ルグランによる魅力的な音楽が、ただ哀しいだけの物語ではなく、生きる希望と愛に溢れた優しい作品に見事昇華させた。
白血病という過酷な運命を受け入れながらも、残されたわずかな日々を懸命に生きた10歳のオスカー。その少年との10日間=100年を一緒に生きることで、不器用なローズ同様私たちも、人生には終わりがあり、だからこそ迷いながらも精一杯生きていくことの大切さ、そして幸せを、きっと与えてもらえるだろう。