お見合いからわずか五日で結婚。上京した布枝が見たのは、花の東京とは無縁の、しげるの底なしの貧乏暮らしだった。質屋通いも日常茶飯事、食パンの耳も大切な食料源、不気味なしげるの妖怪漫画。互いに目もあわせられないまま始まった、ぎこちない生活。漫画のこともしげるのこともよくわからない。そんな悔しさのこみ上げる布枝の前に、それでも、妖怪漫画をひたすら描き続けるしげるの姿があった。「これほど努力をしているのだから、世間に認められないまま終わるはずがない。この努力がムダに終わるはずがない」・・ふと、強い感情が布枝の心に芽生え始めていた。恋だの愛だのいう前に、「一緒」になった二人を笑顔にさせたものは―。
新着映画情報
『ゲゲゲの女房』
配 給 : | ファントム・フィルム |
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公開日: | 2010年11月20日 |
映画館: | ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー |
吹石一恵 |
監督:鈴木卓爾 |
2010/日本/119分 |
“妖怪”も“しあわせ”も目に見えないあの昭和の時代、見えない夫婦の道を歩み続けたふたりの姿―。
今や日本を代表する漫画家水木しげるがまだ無名の時代から、半世紀以上の間、苦楽を共にした妻・布枝が二人の生活を綴った自伝エッセイ『ゲゲゲの女房』。この原作をもとに、お見合いから5日後、水木しげると布枝のぎこちなく始まった結婚生活から、”夫婦“になるまでの歩みを丁寧に紡ぎ上げた映画。どんなに貧しくとも、時代に抗らうことなく、ただひたすら漫画を描き続けた水木しげる、そして側にいた妻・布枝。
しげるの妻・布枝に吹石一恵。昭和の貧しい時代にたくましく生きる姿を瑞々しく凛と演じきった。鬼才として名を馳せる水木しげるに扮したのは、舞台、映画、ドラマで脚本家、演出家としても活躍し続けている宮藤官九郎。監督は「私は猫ストーカー」の鈴木卓爾。
(c)2010 水木プロダクション / 『ゲゲゲの女房』製作委員会