1975年、韓国ソウル郊外。よそ行きの服を着せられて、9歳の少女ジニが旅行のつもりで父に連れられてきた所は、児童養護施設だった。父親は必ず迎えにくると強く信じるジニは、頑なに周囲と馴染もうとせず、反発や抵抗を繰り返すが…。
新着映画情報
キム・セロン |
監督・脚本:ウニー・ルコント |
2009/韓国・フランス/ヴィスタビジョン(1:1.85)/ドルビーSRD/92分/韓国語 |
悲しみを乗り越えて、明日へと羽ばたく少女。 誰もがその幸せを願わずにはいられない。
「冬の小鳥」は、突然予想もしなかった状況に投げ込まれた少女の、孤独な魂の旅を描いている。大好きな父に捨てられた少女は、たった一人で絶望、怒り、孤独と向き合い、やがて運命を受け入れ、新たな人生を歩む決意をするー。
実際に韓国から養子としてフランスに渡ったウニー・ルコント監督の実体験から生まれた本作。「ほとんどの部分は創作だが、9歳だったときの心のままに書いた」と監督が語る通り、ジニをとおしてスクリーンに焼き付ける感情は、嘘偽りのないものだ。だからこそ映画は強烈な説得力をもって、観る者を深く感動させる。
脚本を読んだイ・チャンドン(「オアシス」(02)、「シークレット・サンシャイン」(08)監督)は、“シンプルだが沢山の要素が詰まっている”と評し、本作のプロデュースを買って出る。そして、2006年にフランスと韓国で結ばれた<映画共同製作協定>の第1号作品として完成。フランスへ渡り、韓国語をすべて失っていた監督だが、映画を共通言語とし、韓国とフランスのチームワークを得て言語も国籍も超えた映画本来が持つ力が溢れる作品を生み出した。
(c)2009 Copyright DCG Plus & NOW Films, GLORIA Films. All Rights Reserved.