当たり前のように続いていた母娘の日常が突然崩れ出す・・・ さらにこの二人はそれぞれに、ある秘密を抱えていた
月子と陽子は、母ひとり子ひとりで仲良く暮らしてきた親子。ある日の深夜、陽子が酔っ払って若い金髪の男・研二を連れて帰ってくる。何の説明もないまま玄関で眠りこける二人。陽子を引きずり、居間のこたつに寝かせ、玄関で倒れている男には毛布をかける月子。「いったい なんなん?」
翌朝、ケロッとした顔で陽子が言った。「おかあさん、この人と結婚することにしたから」 あまりに突然のことにとまどう月子。とっさに家を飛び出し、隣の大家・サクの元へ。月子が生まれる前に、陽子は夫・カオルと死に分かれていた。「カオルさんが、最初で最後の人」 母はずっとそう言っていたのに。しかも、あの研二という男、金髪の上に30歳、態度もヘラヘラしていて、元板前だというが、今は働いていないらしい。
「なんでなん?」 納得がいかない、というよりも、母の行動が理解できない月子は、サクの家に居座り続ける。「月ちゃんがいない家に同居はできない」と研二は庭の縁側の下で寝泊りする。陽子に対しても、研二に対しても頑なに心を閉ざし続ける月子に、サクと陽子の上司で家族同然の付き合いの村上は、何とか3人の関係を取りなそうと必死になるものの・・・