土木作業員の清水祐一は長崎の外れのさびれた漁村で生まれ育ち、恋人も友人もなく、祖父母の面倒をみながら暮らしていた。車だけが趣味で、何が楽しくて生きているのかわからない青年。佐賀の紳士服量販店に勤める馬込光代は、妹と2人で暮らすアパートと職場の往復だけの退屈な毎日を送っていた。
「本気で誰かに出会いたかった…」 孤独な魂を抱えた2人は偶然出会い、刹那的な愛にその身を焦がす。しかし、祐一はたったひとつ光代に話していない秘密があった。彼は、連日ニュースを賑わせていた殺人事件の犯人だったー。
「もっと早く出会っていれば良かった…」 そんな祐一の自首を止めたのは光代だった。殺人犯との許されぬ愛…。生まれて初めて人を愛する喜びに満たされる光代は、祐一と共に絶望的な逃避行へと向かう。やがて地の果てとも思える灯台に逃げ込んだ2人は幸せなひとときを迎えるが、その逃避行が生んだ波紋は被害者の家族、加害者の家族の人生をも飲み込んでいく・・・。
新着映画情報
妻夫木聡 |
監督:李 相日 |
2010/日本/ヴィスタビジョン/ドルビーデジタル/139分/PG12 |
ひとつの殺人事件。引き裂かれた家族。誰が本当の”悪人”なのか?
芥川賞作家・吉田修一の最高傑作『悪人』が待望の映画化。吉田自ら代表作と語る本作は、発売と同時に各メディアの絶賛と大きな話題をよび、第61回毎日出版文化賞、第34回大佛次郎賞をダブル受賞しベストセラーとなった。
ひとつの殺人事件。殺した男と愛した女。引き裂かれた家族。さまざまな視点から事件の真相が明らかになるにつれ、読者はある疑問にたどり着く。「いったい誰が本当の”悪人”なのか」と。
本作を監督するのは「フラガール」で日本アカデミー賞を始め各賞を総ナメにした李相日。音楽には、巨匠・久石譲が参加。主演は昨年の大河ドラマ「天地人」で今や国民的俳優となった妻夫木聡。そしてヒロインに、年齢・性別を超えた人気を誇る演技派女優の深津絵里。
(c)2010「悪人」製作委員会