突然、ばーちゃんとの奇妙な生活がはじまったー
北米東部のとある街。「人生は退屈の繰り返しに耐え忍ぶことだと思う」−ロボット型プラモデルオタクの青年レイは、誰とも深く関わらないことを信条に生きてきた。ところが母の葬儀の直後、ひとり暮らしのアパートから、やむなく実家に舞い戻るはめに。そこには、4年間も引きこもりの生活を続ける、ピアノが弾けなくなったピアニストの兄モーリーと、ちょっと勝気な大学生の妹リサ、そして…“ばーちゃん”が暮らしていた。
ばーちゃんは、ママが亡くなる直前に日本から呼びよせたママのママ、つまり3兄弟の祖母だ。英語がまったく喋れないばーちゃんは自室にこもりきりで、トイレから出てくるたびに深いため息をつく。そのため息を気にかけつつ、モーリーとリサから職場に頻繁にかかってくる電話で、レイの淡々とした日常が破られてしまう。だが、バラバラに生きてきた兄弟は、ばーちゃんの無言の支えによって外の世界に一歩踏み出し、お互いの個性を受け入れながら家族としての絆を強めていくことになる…。