![ストーリー](http://www.movienet.co.jp/images/movie_icon_story.gif)
文明を失ってから10年以上経つ。理由は定かではない。太陽は見えず、寒冷化が進み、動物も植物も次々と死滅した世界。僅かに生き残った人間も保存食を見つけるしか生き延びる手立てはない。そうしなければ、餓死するか自殺するか、さもなくば、理性を失った人間の餌食になるかだ。
そんな荒廃した道なき道を、"父"と"子"は、寒さから逃れるため、南を目指して歩き続ける。その道中、父は、幼い息子に、在りし日の世界や道徳観について話をして聞かせる。今の世界しか知らない息子が、理解しているか不明だが、寒さと飢えで極限になってなお、他人を助けようと務め、善き者であろうと心掛ける。父は、この天使のような息子を悲惨な現実から守ろうとする。しかし、死の匂いは、常に付きまとう。息子は父に僕が死んだらどうする?と尋ね、父は、お前が死んだらパパも死ぬだろうと答える。一緒にいられるようにと。それでも、父と子は"世界の終り"を旅する。人類最後の火を掲げ、絶望の道をひたすら南へ─。